1998

公開した後に書き足すことが多々あります。

アニメ『平家物語』感想 7話

 OP、びわの足首が、きちんと走れそうで、力を感じるのが良いな。

★★★★★★★ 

 うーん、なんだかちょっと失速してきたなあ。

 徳子は結局「良き女性」という感じで、もう少し傍若無人な人物でも良いのではないか。上皇が亡くなる直前に父・清盛に対して自分の意見を貫き通しているとはいえ(ここはカッコいい、徳子を正面から捉えたショットを持続させてほしかったかも)、上皇に対する忠義を述べて、「望まぬ運命の中でも幸せがある」という主旨の発言があり、法皇後宮に入った若い女性を世話するのも徳子で、上皇のただ一度の言葉だけで満足して、とあまりおもしろくない人物だななんて思ってしまうんだな、私は。一人の男性を思う一途さを持ち、父に意見を述べるだけの主体性はあるが、自分の欲望を発露させる瞬間はあまりに少なく(苦しみだけでなく欲望も吐露してほしかったな、それを清盛との対話で否定しているわけだが)、上皇若い女性の世話役になってしまう感じが、シスターフッドの名を借りたただの世話役でしかない気がして、うーーーん。

 でも、清盛たちを納得させるために忠義を持ち出しただけで、もう男性たちの所有物にはならないという強い意志は感じるし、後宮に入った若い女性の元に訪れるのは、彼女がこれまで生きてきて感じたことゆえの判断だろうとも思うし、悪くはないんだよな。どこまでがもともとの平家物語での徳子で、どこからがこのアニメでの徳子なのか分からないから判断が難しいのかなあ。今私が感じている徳子は「全方位に配慮した女性」という感じなのだよなあ。

 

★★★★★★★

 資盛がびわや維盛(特に、利用されてしまうだろうびわ)を思って、びわに出ていけと言ったのは分かる。分かるが、あのぐらいの子どもがどうやって生きてゆくのだ。成長しない、目の色が違う子どもは排除されていくだろうし、重盛の一家(平家)ぐらいではないかびわを受け入れるのは。琵琶を弾くのかな。

 資盛がびわを傷つけるひどい発言をして、でもびわは資盛の真意を理解して、という流れもいやだった。コミュニケーションってものをもっと大事にしてほしい。言葉は悪くても、真意が伝われば良い、みたいな男性像も考えも嫌だなあ。真意は分かっていたって、傷つくものは傷つくだろう。(そういえば、びわがあの目を持つことによって受ける不快な、傷つくような出来事全般が物語にない気がする。あの目とびわがどう向き合うかを描くのも大事な気がするが。「何ができる」と考えているところは、向き合う過程だけど、もっと葛藤が全面に出ても良い気がする。)

 

★★★★★★★

 今回は、びわが亡者の見える目で見ることが多かったな。画面も良い瞬間はあった(徳子が清盛に意見するシーンの正面からのショットとか、水面に映るびわと水面に映らない重盛の対比とか、重盛の息子とびわの最後のシーンの一人ずつ去ってゆくところとか、旅立ってゆくびわを橋の上においたこととか)。けど、物足りない気がするのはなぜだろうなあ。