1998

公開した後に書き足すことが多々あります。

アニメ『平家物語』感想 6話

 うーん、前回までに比べると画面が凡庸に思えたが、どうだろうか。慣れてきたからかもしれないが。

 最後の、維盛とびわの対話シーン、維盛とびわの切り返しショットは興味深かった。びわの顔が半分だけ画面内にあったのだが、その半分というのが亡者を見ることができる目がある方の半分だった。維盛の死が近いのか、それとも強くあらねばと刀を振る回し、錯乱しているような維盛は亡者のようであるのか。

 徳子が世話役を担っていたし、びわの弾く音楽は清盛の演説のBGMとなっていたし、びわは白い猫に出会い、可愛がりそうな感じがあるし、うーーん、どう出るかな。

 なんというか、これは『かぐや姫の物語』でも感じたことなのだが、若い綺麗な娘の苦悩を描いても、『かぐや姫の物語』なら媼や相模、『平家物語』なら清盛の妻だろう人物、重盛の妻だろう人物の苦しみなどは描かれない。徳子のような、美しく、賢く、気遣いに長け、という女性の苦しみにしか興味がないような感じはあるかなあ。世話をしている姿を描くにしても、もう少し、そこに複雑な思いが見えたりすると良いのだが。

 びわと動物の組み合わせに警戒してしまうのは、ディズニープリンセスを思わせるからなんだよな。もちろんエルサやムーランのような存在があるにしても、動物をかわいがる姿っていうのは容易に母性愛的なものへと回収されてしまうからなあ。びわは子ども(徳子の子ども)に対しても「かわいい」と言っていたし。こういう仕草だけで決まるものではないが、警戒してしまう。あと、びわは男の格好をしているが、それでも徳子と資盛に「女の子」だと分かると言われているし、資盛はその時にみんな知っているというようなことも言っていたので、どうだろうな。びわという存在が排除されていないことは重要だとは思うが。

 びわと資盛、ハイジとヨーゼフみたい。ペーターじゃなくてヨーゼフなんだよな。この二人の関係はこれから楽しみ。

 清盛の悪夢?は下品な感じで、低級のホラーみたいで、清盛らしい気がした。想像力が欠如しており、呪われ方が安直って感じ(笑)