1998

公開した後に書き足すことが多々あります。

アニメ『平家物語』感想 9話

 この『平家物語』で絶対に見たくない類のショットがこの回に二つあった。三人組の白拍子の足(太もも)のショット。この作品の最初の数話で、白拍子が男たちの都合によって左右され、ただ見世物となることを苦痛として描いていたはずなのに、若い白拍子の一人の太ももを性的な眼差しで描くとは………

 平家を落ちた存在として描く際の汚れた足、生きる者としての足、母と子の寄り添いを表す足、戦うものたちの足、そういう表現に足を使うのは分かるし、好きだ。だけど、性的に太ももを描くのは違うだろ。足がフェティッシュの対象といえど、客体化するようなフェティッシュはこの作品自体を損なっている。描いてきた女性の苦しみはどこへ行った。徳子にしても強さが見えるのは良いが、「母強し」的な強さは結局ステレオタイプなのではないか。

 

★★★★★★★

 白い髪の人がいる空間が、初めて三次元になったかな?それまで、背景はずっと黒だった気がする。びわが、語り継ぐことを決意したことに連動しているのだろうな。だから、暗闇の中に光が差したのだろうな。語ることと祈ることか。これらを無力として扱わない、僅かでも力を持たせることができたら良い気がするなあ。

 清経と敦盛の関係もまあまあ良かった。この二人が死ぬときは、花が落ちるのではなく、鳥が高く飛んで行った。

 女性で涙を流したのはびわの母が初めてかな?瞳に涙をためていた人物はそれまでにもいたけど、流すのは初めてな気が。祇王って泣いてたっけ?もう一回見た時に確認しよ。