1998

公開した後に書き足すことが多々あります。

アニメ『平家物語』感想 8話

 平家物語だから仕方ないのだが、思ったよりびわの物語が少ないな。越後までの道のりをもう少し描いても良いのではないか。『アルプスの少女ハイジ』や『赤毛のアン』のような孤児の物語から『母をたずねて三千里』のような母を探す物語へ転換した回だった。もっとびわの歩いたり、走ったりする映像、その時の足もとの映像がほしいと思ってしまう。成長しない人物(≒不老不死)は、宙に浮いているような気がしてしまうので、この人物は生きているんだ!!!という感覚がもっとほしい。この回の最後でも、びわは結局何もできない人物として描かれている。

 白い髪の人がうたっている時のBGM?がすごかったな。維盛や資盛は髭が生えていた。時間の流れ方が一定しているわけではないから、時間がどれぐらい流れたのかよく分からない。このあたりもう少し上手く描く方法はないのかな。と思いつつ、かなりの時間が流れているだろうから、毎回そういう時間が流れていることを示す映像を入れていたら、くどいような気もするが。

 維盛はほんとうによく泣く。維盛のような人物は弱くないし、「泣き虫」でもないと思うのだが、鑑賞者にどうやって受容されるのだろうか。涙を流す男性というのが、弱さや泣き虫などとされずに描くのはどういう方法があるのか。弱くても、泣き虫でも良いことを伝える方法って確立されているのかな。物語中の誰かが実際にそういう発言をすることなく、肯定する表現がどんな感じになされるのか興味あるなあ。表象だけでなく、社会の問題でもある気はするが。

 必要なのは資盛のような人物の涙ではないかなと思ったりもする。資盛も戦を好む人物ではないのだなあ。そして、好きな女性との関係を大事にするらしい。重盛も維盛も資盛も、それなりに奥行きのある人物のような気がするのだが、なんか徳子が表面的に感じてしまうのだよなあ。なんでだろ。