1998

公開した後に書き足すことが多々あります。

アニメ『平家物語』感想 3話

 まずはラストシーンから。赤い柱によって境界線が引かれていた。この境界線もすごいがその後、重盛が手前に座り、奥に清盛が立っているショットもすごい。すごすぎる。重盛の意表をつく申し出の場面なのだから、圧する重盛と圧迫される清盛という構図を画面上に作ることを単純に考えれば、立つ重盛と座る清盛でも良さそうである。しかし、立っているのは清盛で座っているのが重盛。ここで重要なのは、きっと背中だろうなと。重盛という人物が清盛のような力を持って制するタイプではないことから、座ったままの背中なのだろうなと思った。

 あと、清盛の瞳に重盛が映りこんでいるショット。これも単純に考えたら、清盛の瞳に重盛が収まってしまっているのだから、重盛が清盛の掌中にいることを象徴しているようにも見える。しかし、ここでも逆なんだよな。しかも、威力を持っている。うまく言葉にできないな……子どもと言えど目の中にいれたら痛いか(笑)(追記:『荒ぶる季節の乙女どもよ。』という漫画を読んでいたら、驚いた側の瞳に驚かした側の人間が映りこんでいたので、普遍的な表現なのか?)

 びわが重盛を止めるために走っていく場面、『かぐや姫の物語』の疾走シーンを思い出したな。短いアニメにしては長かったと思うが、やはり物足りなく感じてしまう。びわは2話でも走っていたので、この後も走るかな。走る少女、成長しない少女か。妊娠できず、産むことに消極的な女性と、先が見え、走り、成長せず、きっと語る主体となるだろう少女。興味深いな。

 水平線を傾ける手法が今回はかなり見られた。くどいような気もしたが、どの場面も水平線が傾かない状況ではないよな。あと今回、赤だけが残ったモノクロ(というのか?)の場面もあった。

 アニメの歴史的にはEDって、バラードな感じで、ノスタルジックだったり、穏やかさがあったりするのが一般的な気がするが、『平家物語』のEDは不穏な感じが強め。最終回とかどうなるんだろ。画面も黒が強めで、カラフルさがないもんなー。