1998

公開した後に書き足すことが多々あります。

アニメ『平家物語』感想 1話

山田尚子監督によるアニメ『平家物語』の感想。ネタバレ含む。随時更新。

 山田尚子、吉田玲子、高野文子というだけですごく楽しみにしていたのだが、なんとなく見るのが怖かったし、一週間に一話見る行為がすごく苦手なので、迷っていたが見始めた。

 高野文子は『絶対安全剃刀』がすごく好き。吉田玲子は日本のアニメにとって欠かせない脚本家だし、山田尚子とはほとんど一緒に作品作っているかな?期待大という感じ。そしてサイエンスSARUね。京アニじゃないので、作風も変わるかな。

★★★★★★★

OP・ED

 いちおう感想。いま『ハイジ』を見ているからか、アニメのOP・EDという感じがしなかった。今はこういう感じなのかな?あんまりアニメ見ないからな。『映像研には手を出すな!』ではこんなこと感じなかったな。OPもEDも毎回きちんと聞く人間なのでこれから馴染んでいくかな。

★★★★★★★

1話

 電通が製作に名を連ねるか………ちょっと落胆………

 まずやっぱり冒頭、歩く足を描いているところ。山田尚子の『リズと青い鳥』でも冒頭、足から始まる。山田作品の重要な部分だろうなと。溝口健二の『近松物語』とかを考えると日本の文脈では手より足の方が階級を表すものになってくるかなと思うし、足(フェティッシュの対象ではない)や歩く行為というのは「地を歩く人間」を描くことで、つまり浮遊感を持たせず、生きている人間を描くことなのかなと思った。女性の表象を念頭に置いた場合、「地を歩く人間」として描かれているというのはやはり重要なのでは。

 蝶や眉、まつげ、このへんも印象的だった。蝶はなんとなくだが、艶やかな煌びやかな女性のイメージが付いて回る気がするが、この作品では美しさの為に細かい部分が切り捨てられることなく描かれていて好印象。眉やまつげも、まとまりではなく、一本一本描かれているので、キャラクターの造形自体はリアリスティックではないが、多様な人物を描けるだろうな。(このあたり、高畑勲が好きな人間としてはかなり面白かった。)

 あとは平清盛が細い棒を手に取るショットは怖かった。画面内に棒が映されていて、そこに入ってくるのが影だった。手と影を一緒にではなく、まず影。「のびてくる影」。炎の色も綺麗。

 びわが男の子の格好をしていることと、「女の子でしょ。分かる」の部分はどうでるかな……後者は特に本質主義的でもある気がするな。 

 そうだ、あと、会話場面、平面的な構図だよなと思った。正面からというよりも横顔。それで、画面の会話相手がいる側に話す人物を配置している。