1998

公開した後に書き足すことが多々あります。

『アルプスの少女ハイジ』感想 11-15話

11話

 おじいさん、大変だなあ。吹雪の雪山は助けに行ったおじいさんだって遭難する危険があるのに、ハイジが心配するからと探しに行くおじいさん、すごいな。アルムの山に冬が来て、雪が積もった最初の方はきれいな雪景色の話ばかりだったけど(危険だからハイジは色々禁止されているエピソードはるけど)、今回(たぶん次回も)は雪がどんなに危険かという話だった。

 ハイジが窓から外を眺めていて、その窓の雨戸をおじいさんが閉める時のショット、すごかったな。構図、ハイジの表情、おじいさんの表情、間、雨戸を閉めるタイミングが良くて、おお、となった。ハイジとおじいさんが見つめ合う切り返しショットも良かった。ハイジの思いを真剣に受け止めている感じ。

 

12話

 ハイジとヨーゼフはただ仲が良いというより良き同士という感じなのね。ヨーゼフは雪割草がお気に召したようで。今回はおじいさんによく注意されてたな。食卓にあまり野菜が出てくることがなかったと思うのだけど、そういうものなのかな。干し肉は何肉だったんだろう。前回、ハイジは狩りに来た男性たちから鹿を守っていたけど、鹿肉とかは食べないのかな。おじいさんとペーターは狩り自体を非難する感じはなかったからな。ペーターは案内していたわけだし。

 雪崩の怖さとか描くのが高畑だよなーと思った。山での暮らしは実際にはもっと大変かもしれないけど、ただ綺麗でリフレッシュできるような自然だけを描いたりはしないよな。

 

13話

 アルムにはもう春が来たらしい。良いな。全部ピッチ―としてしまうところや、喧嘩相手に噛みつくところ、ハイジらしいなと思った。今回はハイジの足音が良かった気がするな。重さがある感じ。前からそうだったのかな。急に意識の上にやってきた。

 ハイジっておじいさんのところに来てから一回も山を下りてないのか。おじいさんは町にハイジを連れていきたくないのかな。「次回は「悲しいしらせ」、お楽しみにね」と言われても………

 

14話

 ヨーゼフが賢い。ペーターは優しい。ハイジに言わなくちゃ、でも言えないと考えている時の表情の変化が良い。ペーターとハイジは普通だったら絶対死んでる………

 ハイジの悪夢のシーンがすごかった。真っ黒な中に、白いヤギが足を広げたような格好でいるのが怖かった。悪人となると肌が黒くなるのは、良くないな、差別的な表現だよな。『ホルス』の時もだったけど。

 おじいさんが縫物しているところ見たの初めてかも?見過ごしているだけかもしれないが。ヤギを買っているのは暮しの為だと言われても、どうしようもないことだと言われても、「分からない」と首を振るハイジ………ユキちゃんどうなるんだろうな。厳しい現実が待つのか、それともまたおじいさんがハイジの為に動くのか。

 

15話

 ハイジとペーターの努力が実る回だった。良かった、良かった。

 ハイジはやっぱり人々とコミュニケーションを取るのが上手い子どもなんだな。ハイジの熱意と純粋さは、思い込みを覆す。誰が頼んだ、と言われて、「誰も言わないわ。あたしとペーターとふたりで勝手にやったの」と言えるハイジはすごい。ユキちゃんを死なせたくないハイジ自身のためと思っていても、努力したんだから飼い主も喜んでくれるはずと思いそうなものを、「勝手にやった」と言えるのはすごい。

 ペーターが明日からもうユキを山へ連れていかなくていいと聞いた後の、落ち葉が舞い上がり、ディゾルブでショットが変わっていくところ良かったな。あと、ハイジがユキたちと遊びながら笑っていたところから、ヨーゼフとユキだけが追いかけっこしながら遠ざかっていき、そこでハイジがまた泣き出す、という一連の流れも良かったな。

 次はもうハイジが8歳になっているらしい。